私は2017年末に7泊9日で
フィンランド→エストニア→ロシア
の一人旅を決行したのですが、この旅の最大の目的はと言えば
サンクトペテルブルグでマンモスのミイラに会う
ということでした。
サンクトペテルブルグの動物学博物館のようす
体毛つきマンモスの詳細な写真
とんでもないやらかし写真
ほとんどマンモスがメインの内容となっております。
「毛生えマンモス乙!」
という方や
「この管理人はどこまでマンモスクレイジーなのか知りたい」
という奇特な方はぜひ最後までごらんください。
サンクトペテルブルグの動物学博物館でマンモスに会う

入館料や定休日は最新の情報を公式サイトで確認してください。
ロシア語のみですがGoogleの翻訳機能を使えば日本語で十分理解できます。
動物学博物館ってなに?
1832年、最初の国立博物館であるクンストカメラ内の一区画だった「植物学、動物学、鉱物学」のコレクションが独立分離した施設。
3万点以上の化石標本や剥製が展示されている。
館内のバーチャルツアーもあるので、実際に行けない人でも中のようすを体験できます!
ツッコミどころ満載!剥製だらけの動物学博物館
入口はかなり小ぢんまりとしているので、うっかり見落とさないように注意。

入ってすぐにチケット売り場があります。
建物中央の吹き抜けには大型の海獣の剥製や海竜の化石がズデーーーンと鎮座。

展示物と見物客を隔てているのはロープ一本のみ。
しかもかなり間近まで寄れるので迫力がありますね。
キレイに並んではいるのですが、
「ほら、ここが海のコーナーだぜっ!!」
と言わんばかりに詰め込まれている感じがします(笑)
館内では私のほか、熟年夫婦を一組見かけただけ。
ふだんは子どもたちの社会科見学先になっているようで、ネットでは学校関係の写真がたくさんヒットします。

年の暮れに行ったせいかも。ゆっくり見られました
BGMもナレーションもない場所に、コツコツと足音だけが響きます。
自分の息遣いさえ聞こえてくる静寂の中、ただよっているのは生き物の死の匂い。


私は幽霊とかは信じてませんが、消灯した後ひとりで過ごせと言われたらさすがに抵抗したくなりますね。
各コーナーのところどころに、警備員?案内人?監督人?のおばちゃんたちがぽつぽつと座っています。
おばちゃんたちも気配がないので気づくとそばにいる感じ。
けっこうぎょっとします。
わりとショックだった展示品がこちら。
どんな学術的価値があるかはわからないけれど、30羽以上ものペンギンのヒナの剥製が。


「ペンギンファミリーはこうやって寒さをしのぐんだよぉ」
と子どもたちに教える感じ?
研究員たちはどんな気持ちでこの子たちを捕まえたんだろうと思うと、やるせなくなります。



にしてもやり過ぎた感がハンパない展示物だ…
そして、謎の破損痕。
銃弾でも撃ち込まれた?


なんなのこれ。
見れば見るほど、展示物よりガラスに空いた穴の方が気になって仕方ないよ!
(直そうよ…)
いよいよマンモスちゃんに会う【激熱!】
動物学博物館の目玉、
毛生えマンモスのミイラ
にいよいよ会います!!
私はメインのマンモス(ポスターにもなっているやつ)だけだと思ってたんですが、
体毛つきマンモスは全部で4体ほど
いました。
遠くからでもわかる、圧倒的な存在感。


もっと近づいてみよう。
おお…!!
ご尊顔が目前に!


マンモスから毛を取ったらやっぱりゾウだった、というのが第一印象。
しかし象より耳はだいぶ小さいですね。
アフリカゾウの15分の1だそうです。
吹雪の中で大きな耳は邪魔なだけだったのでしょう。


真横から見ると、落ちくぼんだ目や体皮のシワが
生きているかのよう
な錯覚を覚えさせました。
前足を立ててどしんと尻もちをしているような態勢で死んでいます。
公式サイトによると、
- 崖や峡谷から落ちて即死したと思われる
- 頭部と背中は早い段階で解凍されていて、食べられた形跡がある
- 口の中には植物の残骸があった
とのこと。
私はこのマンモスの尻尾を何枚も何枚も撮っていました。
なぜなのか自分にもわからない…


この「毛」感を納得するまで撮りたかったんだと思います。
結果的に、
このマンモスの後ろにいた有名な
「マンモスのマーシャ」を見落とすという事態に。
マンモスのマーシャとは
4万2千年前に、生後1~3カ月で死んだ仔マンモス
1988年に永久凍土から発見された、大変貴重な全身標本
尻尾と鼻は失われている
館内のバーチャルツアーを見たところ、見たかったはずのマーシャがこの尻尾の向かいにいました。
(この尻尾に向かって立っていると、マーシャは私の背後にいることに。完全な死角…)
しかしマーシャを見られなくても凹みません。
なぜならそれ以上に興奮するミイラを見られたからです。
1977年に永久凍土から発見された仔ケナガマンモスのディーマ。


約4万年前の姿をとどめています。
全身を覆っていたであろう体毛はわずかしか残っていませんが、だからこそ生々しい皮膚の質感が直接見てとれました。
なぜこんなにぺちゃんこなの?
脱水しているせい。
内臓は完全に保存されているそう。
このディーマくんとは1年半後の2019年に、日本で思いもよらぬ再会を果たします。
ちなみにディーマはシベリアのマガダンという場所の永久凍土から発見されました。
オホーツク海に面しているエリアで、サハリンの北東にあります。
やらかした衝撃の写真【4年目の真実】
私はこのマンモスコーナーで驚きのミイラを発見しました。
それがこちら。
じゃーーーん!!


私はこんな子が見たかったのです!
全身体毛に覆われたマンモスを!!
すごい毛!長い!


毛のゴワゴワ感を撮りたくて足の裏からめっちゃ近づきました。
すっごいケモノくさそう!!
剥製やら化石やらミイラやらに囲まれるなか、こんなにも完全体に近い形の仔マンモスを見ることができて、超大興奮。
この興奮と感動は初対面から4年経った今でも消えません。
しかしなんか違和感がぬぐえない
このたびブログの記事にまとめるにあたり、もう少し詳しい情報を載せたくていろいろ調べてみました。
解説は写真にずらーっと書いてありますが、ロシア語なので当然読めません。
しかしかろうじて読める右側の部分に
- 40000лет
- летом1977


と数字が書いてあるのがわかります。
これは
- 4万年
- 1977年
という意味。
4万年前の仔マンモスが1977年に発見された。
ということですよね。
あれ…?
4万年前と1977年って、どっかで聞いたことないか?
なんか、ディーマと同じじゃね…?
動物学博物館へメールしてみた
調べても調べてこの体毛もっさりのマンモス情報が出てこない。
嫌な予感を抱えたまま、ついに私は直接、博物館へメールをしました。
そして翌日の返信で衝撃の真実を知ることとなったのです。


この体毛つきマンモスの写真はディーマのレプリカです。
どのように発見されたか展示しています。
オリジナル(=ディーマのこと)はこのレプリカのすぐそばにあります。
教育科学部長 アントン・レズヴィ
れ、、、
レプリカだった…


え?
え??
つまりこういうこと?


ウソだよね?
だって展示してる向きも逆じゃん!


英語でレプリカって書いといてよ!
そのくらいなら読めるよ!!
てか、英語の解説用意しとけよ!!
4年間の感動が打ち壊された瞬間でした…泣



でも間違った情報を載せることにならなくてよかった…
動物学博物館のまとめ
- マンモスが好き
- 化石が好き
- 上野の国立科学博物館が好き
- 別にそれほど好きではないけど興味ある
という人には自信を持っておすすめできる博物館です。
いっぽうで、館内全体に漂う死の気配がありますので、そういうのが苦手な人は避けたほうがいいかも。
あとは化石とはいっても海竜やマンモスばかり。
恐竜の化石を期待していくとガッカリします。
基本的には
「動物学」なので現代の剥製がメイン
と考えたほうがいいですね。



膨大な量の展示物があるので、見たいところだけサクッと見ないと体力消耗するよ
今回は以上です!
最後までお読みくださって、ありがとうございました。


補足:1年半後、日本で再会する
(ここからは日本でのおはなし)
2019年6月。
東京はお台場、日本科学未来館にて「マンモス展」が開催されました。
マンモスと聞いて、行かないわけにはいきませんよね。
科学未来館はこれまで何回か行ったことがありますが、企画展を見るのは初めて。
体毛に覆われたマンモスの全身があるとのことで意気揚々と乗り込みました。
そして…
マンモス完全体、出た!!


つぶらな瞳から目の周りのシワ、もっじゃもじゃの体毛…
本物のマンモスだッ!!
どアップで。


迫力がすげー!!
お尻も。


毛束感が、レゲエの人のそれ。
足が太い!!
反対側もパシャリ。


今にも歩き出しそうだ。
驚いたのは、サンクトペテルブルグの動物学博物館で見た仔マンモスのディーマと再会したこと。





やあ!ひさしぶりだねえ!!
まさかこんなところで会うとは。
サンクトペテルブルグでは撮れなかった違うアングルでの撮影も。


薄いなあ。
皮膚の質感や浮いた骨が生々しいですね。
最後はこちら、マンモスの鼻。


鼻の先端部分ですね。
なんかこの鼻先みてるとすごいキュンキュン来ませんか…(〃ノωノ)
ゲームのアイテムで「マンモスの牙」は聞いたことあるんですけど、さすがに「マンモスの鼻」は見たことない。
ゲーム好きとしては、何か特別な道具を作るための素材になりそうでワクワクします。
やはり古代の生物は私にロマンの興奮とときめきを与えてくれました。
次にロシアに行く際には、また別のマンモスや恐竜を写真に収めたいと思います。

